本当に熊が入った家 House attacked by a bear

熊が入った当時の家、見学出来ます。(無断進入禁止)

○熊が開けた冷蔵庫の(爪あと)や、熊が知床岬で番屋を荒した時の物も展示しています。
○熊に関する当時の貴重な写真、事件に関する展示物も有ります。

~深夜、民家にクマ侵入!冷蔵庫など荒らす~

昭和61年(1986)9月16日の未明、羅臼町海岸町の鹿又政義さん(当時35歳)宅の台所にヒグマが入り込み、台所を荒らして、おまけに冷蔵庫の中味も荒らして立ち去った。
この家は政義さん夫婦に子供3人と、父の清登さん(当時67歳)夫婦の7人家族だ。清登さんたちは1階の茶の間に寝ていて政義さん夫婦と子供たちは2階に寝ていた。
真夜中に、ゴソゴソとする物音に気づいた清登さんは、戸を開けて台所の方を見ると、流しの前にクマがいた、「大変だ!」と奥さんとともに政義さん夫婦のいる2階に慌てて逃げ込む。これを見た政義さん夫婦は「どこかに連絡して、助けを呼ばなければ」と思ったものの、連絡するための電話は1階の茶の間にある。「どうしよう、何とかしなければ」と気だけはあせる。そして恐ろしくて足はガクガクとふえるえるばかり
それでも意を決した政義さんの妻知子さんが、足音を立てずに静かに2階から下りて、茶の間の電話のところに行く。真夜中のことで役場は連絡はとれず、知子さんの実家に事の次第を連絡した。
それから政義さんたちは、何とかクマを追い出そうと、2階から物を投げたり、目覚まし時計のベルを鳴らしたり、二人で大声を出したり、あらゆる手を使ってみたが、クマは一向に動く気配はなく、ただ横目で見るばかり。そしてあたりを物色して物を倒す音かと思えば、壁を叩く音。加えて異様なうなり声をあげて、裏口から出たり入ったり、約1時間の行動は実に長く何時間にも感じられた。
物音がしなくなり、もう立ち去ったのかもしれないと思い、恐る恐る1階に下りて見ると、台所の戸は破られ、冷蔵庫の中はめちゃくちゃに散乱され、あたりは生々しいクマのツメ跡が残されている。ジュースの缶はツメで穴があけられて飲んだ形跡がある。酒の一升瓶は空っぽで横倒しになっていて、周辺にこぼれた様子もないので、一升ビンをもってラッパ飲みしたのではないか?流しの生ゴミは散らばっていて、野菜等は裏の畑まで持ち出されいていた。
2階で子どもたちと肩を寄せ合っていた知子さんは、「とにかく生きた心地はしなかった。真夜中にクマが家の中に入ってきた、うなり声や物をこわす音が2階まで聞こえ、こんな恐ろしいことは生れてはじめて、思っただけでもゾウッとする。」と朝になっても身体のふるえが止まらなかった。
現在、政義さんはこのクマの騒動を逆手にとって「クマの入った家」と称して民宿を経営、当時の生々しい写真や新聞記事と冷蔵庫などを陳列して、各地に人気を呼んでいる。
(羅臼町百年記念誌より抜粋)

古くなったこの家、後何年持つやら・・・
ご協力お願いします。

※見学はできますが店主の許可がなければ入れません。

 

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